アニークシュチェイ遠景
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《アニークシュチェイ遠景 #1,2,3,4》
セメント、木材、詩(アンタナス・バラナウスカス/アニークシュチェイの森)
2024
撮影: Butautas Barauskas
W Gallery / Dumu str. 3-K5, Vilnius, Lithuania 2024年9月14~16日
行ったことのない国について考えていた。そこにはどんな風景があるのか。
詩人Antanas Baranauskasアンタナス・バラナウスカスの詩《The Forest of Anykščiai》国民に親しまれるその詩は、まだ見ぬ風景を僕に見せてくれた。リトアニアの森、アニークシュチェイの森の呼吸と振動。獣の雄大なうなり声、木々の鳴り止まぬささやき、振り下ろされた斧の炸裂音。詩で語られるのはあらゆる生物の営みの細部で、写真で見る風景よりもおそらく、まじまじとした森の風景を描いている。
遠く離れた地から、僕はリトアニアの森を見ている。アニークシュチェイの森を「彫刻」にして僕は今、最も近くで森の風景を見ている。そしてこれはスーツケースに入れられて、その森の麓まで届く。